今日11月の第4木曜日は感謝祭。先週末からスーパーは感謝祭の買い物をする人でごった返し。料理する人もしない人もカートから溢れそうなほどの買い物をします。スーパーではおせち料理みたいに料理の全てをパックにして売っているので、料理をしない人もちゃんと伝統的な感謝祭のご馳走が食べられる仕組み。
我が家は例年通りお隣のシャーリーのお宅に招待されてるのでいつも通りの一週間分の買い物だけで済ませればいいから楽ちん。だけどこの週はなんでもすぐに売り切れてしまうから週の早めの買い物がオススメ。
感謝祭ってアメリカの植民してきた人たちが慣れない土地と気候のなかで四苦八苦しているところを助けられたお礼にインディアンにご馳走したことに起を発してるのだけど今では全然その欠片も見えないのが残念。たまにアメリカ人から「日本ではどんな風に感謝祭を祝うの?」などと戯けた質問をされて返答に困ったりします。学校で何習ったんだか…。
それはさておき、典型的な感謝祭のメニューはこんな感じ、
- 七面鳥のロースト
- 詰め物
- グレービーソース
- クランベリーソース
- マッシュドポテト
- インゲン豆のキャセロール
- グレイズド キャロット
- ディナーロール
- ヤム(オレンジ色のサツマイモのような甘いお芋をマッシュしてオーブンで焼いたもの)
- パンプキンパイ
- アップルパイ
- クリームパイ
- ピーカンパイ
お腹に溜まるものをたくさん食べたあと、ありとあらゆるデザートを食べるのも習慣。上には載せてないけど、アイスクリームも必須アイテム。ディナーは午後1時半から3時くらいの間に始まって、デザートの後はリビングルームに移動してテレビを見たり、おしゃべりしながら、さらに残り物をつまんで一日中食べ続けるって感じ。
七面鳥
七面鳥はこんな感じで売られてます。冷凍モノなので早めに買って解凍してからでないとオーブンに入れられません。この観点から水曜日の夕方に七面鳥を買ったら木曜日の感謝祭には間に合わないよね。こんなに大きかったら下味つけるのにどのくらいかかるんだろうって思うでしょ。アメリカ人って味をなじませるとかって感覚がないようで、塩コショウしてすぐにオーブンに放り込むって感じです。経験からいうと、どこでご馳走になった七面鳥も肉以外の味なんてなくてグレービーやソースと一緒にいただくというのが普通みたい。
サイズがサイズなので調理するにも時間がかかります。ローストするだけで最低2時間半から3時間といったところ。感謝祭の日、主婦は朝早くから起きてキッチンに立ちます。
ギリギリまで買い物しない手順の悪い人たちのために…ってわけじゃないけど、ハムも売られてます。こちらは冷凍物ではないのでそのままオーブンに入れて大丈夫。
日本で見るハムよりずっと大きいでしょ。丸のままの鶏より大きいです。七面鳥よりおいしいけど、あまりたくさんは食べられるよなものではないかなぁ。大家族の家庭では七面鳥とハムの両方がテーブルに並ぶことも珍しくありません。
詰め物
詰め物って何だろうって思うよね。材料は地方や家庭によって違うのだけど、だいたいこんなもの、
- 玉ねぎ
- りんご
- セロリ
- パン
- チキンスープ
- バター
- パセリ
- セージ
- マジョラム
- タイム
- 塩
- コショウ
大きめに刻んで混ぜて七面鳥のお腹に詰めます。ローストしているうちにお肉から出た汁が染み込んで美味しくなるという仕組みらしい。だけど、グレービーをたっぷりかけていただくので本当にそんな風に美味しくなっているのかどうか未だに不明。
グレービーソース
基本的に七面鳥とこれがあれば感謝祭とクリスマスの料理の90%はカバー、ってくらいアメリカ人の好きなのがグレービー。トロミのあるソースはマッシュルームが入っていることもしばしば。これも家庭によってそれぞれのレシピがある様子。チャドは七面鳥が溺れるくらいにグレービーをかけて食べるのが好き。
瓶詰めやお湯で溶かすだけのパケットになったグレービーが売られてるから手の抜き方も様々。
クランベリーソース
毎年生のクランベリーが出回り始めると感謝祭が近くなった証拠。生のクランベリーはとても渋くて酸っぱくて、そのままではとても食べられないからたくさんお砂糖を入れて煮ます。これもゼリー状の缶詰のものが売られてるので缶詰で代用する人も。缶詰の方が好きって人もいます。
マッシュドポテト
ダグと私は断然アイダホポテト(男爵)派なのだけど、ダグの奥さんのエレンはメークイン派。当然彼らの家ではマッシュドポテトもメークインなのだそう。ダグは不満気味。
マッシュドポテトもいろいろなレシピがあって、マヨネーズや生クリームを加えたりしてコッテリさせたものがアメリカ人好みらしい。もちろん加える量はたっぷり!それにベーコンの刻んだものを加えたりする人も。そうそうバターもたくさん入ってるよね。
そんな手間をかけたくなければ、お湯を注ぐだけの乾燥もののポテトや即食べられるパック詰のものがスーパーに並んでいます。
マッシュドポテトに使われるのかどうかわからないけど、ジャガイモの缶詰見つけました。いったい何に使われるのだろう?
インゲン豆のキャセロール
キャンベルのマッシュルームスープに牛乳を加えたものをさっと茹でたインゲン豆に混ぜてオーブンで焼くっていうのがソースを作る手間を省いた手抜きな作り方の一つ。これが結構おいしく出来るからびっくり。インゲン豆は好きでなかったのだけど、このキャセロールのおかげで食べられるようになりました。
当然ながらインゲン豆の缶詰があります。義理の母がよく使うのだけど、煮過ぎで食感が悪いのと不気味な緑色なので私は敬遠。多分ビタミンは全部破壊されてるのだろうけど冷凍物の方が缶詰より体に良さそう。
グレイズド キャロット
人参の甘露煮。母がよくお弁当に詰めてくれていたのを思い出します。箸休めって感じかな。数少ない野菜料理のひとつ。
形が似てるけど、缶詰の人参で作られてないことを祈るばかり。
ディナーロール
ホームメイドのロールを作る人もいれば、ベーカリーで調達する人、冷凍物のオーブンで焼くだけのものを使う人などそれぞれ。
七面鳥やハムはもちろん、キャセロールにパイとオーブンを使う料理がほとんどだから手際よく順序を考えながら料理しないといけないからけっこう大変。
ヤム
一見サツマイモみたいだけど、中はずっと鮮やかなオレンジ色。サツマイモや紫芋の仲間らしい。スイートポテトみたいに調理。クルミやピーカン、マシュマロをトッピングして焼きます。そう、マシュマロ。マシュマロって焼くと弾力がなくなって外側はカリッと中はふんわり。とても簡単にできるのでお料理ビギナーや得意でない人が家族の中でヤム係に任命されることしばしば。
デザートいろいろ
クリームパイ、チーズケーキ、チョコレートケーキ、ボストンクリームパイ(地元だからね)、そしてパンプキンパイ、スーパーのベーカリーにはいろんなデザートが所狭しと並ぶのだけど、これがまたあっという間のなくなるからびっくり。
この日も買い物してる間にラックにいっぱいのパンプキンパイが出てきました。裏ではもっとパンプキンパイを作っている様子。まるで日本のクリスマスケーキを思い起こさせます。
デザートが1種類なんて考えられない人たちなので、ディナーの後テーブルを一旦片付けてから少なくとも3種類のパイとアイスクリームとコーヒーが用意されます。子供からお年寄りまでコッテリした甘いものの大好きな人たちなのでデザートは七面鳥と同じくらいに楽しみにしています。
満腹のお腹を抱えながらフットボールを見るのが典型的なアメリカ人の感謝祭の過ごし方。そうして飲んで食べてを繰り返しながら一日が過ぎていくのです。
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