クリスマスに向けて

アムトラックもクリスマスらしくお粧しです。ボストンとメインを行き来するこの汽車(私の知る限り電車じゃないんだよね)はリースも雪と氷に覆われてます。この時期、ボストンではクリスマス・ポップスやくるみ割り人形を観に行くのが人気。

クリスマス・ポップスではカーク・ロックハートの率いるボストン・ポップスが毎年楽しいクリスマスミュージックを聴かせてくれます。なんといってもシングアロングで締めくくるのは見逃せません。みんなでクリスマスソングを大合唱します。スクリーンに歌詞を出してくれるので、歌詞を知らなくても大丈夫。この時期ボストンに来るなら断然オススメのアトラクションです。

ボストン・バレエではクラナガミサさんとイチカワリエさん、日本人がシューガープラムの精を踊ります。おふたりの名前はここ数年ボストン・バレエの公演でよく見るので、長くこのバレエ団にいらっしゃるようです。ボストン・バレエは毎年趣向を凝らした演出で幻想的なショーをみせてくれます。ショーの始めに出てくる5歳くらいの子供たちの踊りはとても微笑ましいです。

もうすぐクリスマス。それなのに今年はまったくヤル気なし、手抜き放題です。感謝祭の前夜に日本から帰ってきて、翌日はお隣さんにディナーに呼ばれて(感謝祭の日はスーパーがお休みなので、実はご飯に呼ばれてとっても大助かり。シャーリーは自分の娘が帰ってかきたように喜んでくれました。)、マリリンのご機嫌とりながら(マリリンとこんなに長い間別々に過ごしたことがなかったので、本人は置き去りにされたと思っていてまた置き去りにされるのではと不安らしくそばを離れません。かわいそうなことをしてしまいました。)配りものの準備して、3週間分の塵をはたいてまわってたら(ダンナを残して家を空けて帰ってきたら大変だ〜)、「クリスマスなんてどうでもいーや」モードに突入。

いつもはこの時期を一年で一番楽しみにしてるのに…。今年はクリスマスツリーなしです。とはいってもミニチュアの作り物は出してみました。これはこれでシンプルでカワイクてお気に入りなんだけど、ちょっと寂しいね。先週末ようやくデコレーションをしてみたのだけど、ヤル気のなさが見え見え。デコレーションするのも暖炉の上限定。なんてこった。

先々週はとても寒くて最高気温がマイナス5度くらいの日が続いてたんだけど、週末に寒が緩んで土曜日の夜に20センチくらい雪が降りました。雪降る夜はほんのり明るいです。雪って寒いから降ると思うでしょ?でもね、寒すぎると空気中の水分が雪になりきれないらしいです。気化しちゃうのかな?とにかく、0度あたりの気温で湿気があると雪になりやすいようです。

翌朝、ドアを開けるとポーチにお客さんが来てた様子。

マリリンと散歩の途中でご近所さんのお家をパチリ。クリスマスらしいお家をピックしてみました。クリスチャンでもあまり信仰深くないからとクリスマスの飾り付けを全然しないお家もあります。あと、ユダヤ人はこの時期ハナカの真っ最中、クリスチャンじゃないのでクリスマスをしませんね。インド人や中国人は小さな子供がいるとクリスチャンじゃなくてもクリスマスツリーを飾ったりするようです。まるで日本人みたい。

このお家、窓に小さな明かりがついてるのが見えるかな?これってロウソクの形をした電気なんです。日が落ちて暗くなると窓に灯された明かりが暖かに見えてホッとさせてくれるので、他のどんなクリスマスの電飾よりもこの明かりが一番お気に入り。この習慣の由来にいくつかの説が見つけたのだけどどれもあまり説得力がないので、どれが本当なのかイマイチはっきりしません。だけど入植時代から続いているらしいです。我が家の窓にも暗くなると小さな明かりが灯ります。

私の住む小さな町にもクリスマスの灯りがつきました。12月の第一土曜日には毎年かわいらしい点灯式なんかも行われます。田舎の小さな町のせいなのか、アメリカ人の大雑把さなのか、電飾もかなり大まかです。日本のクリスマスの方が断然きれい。あんまりお粗末なので福岡で撮ってきた写真を横に並べることもできません。

ご近所さんの庭にトナカイを見つけました。このトナカイは動かないんだけど、中には上下に首を振るものもあって草をつまんでいるように見えます。


大雪の降る前には必ずバードフィーダーを満たしておきます。何もかも雪の中に埋もれてしまうと野鳥たちはご飯を探すのも一苦労。雪がやむとバードフィーダーが小さな鳥たちでにぎわいます。

片手に余るほどの小さな小さな鳥たち。そんなに小さかったらこの凍てつく寒空に凍死してしまうんじゃないかと心配でならないのだけど、みんな元気に飛び回ったり仲間同士でお話に花が咲かせている様子を見ると野生の強さってすごいなと感心します。

先週末、ローリーのお家にクッキーを届けに行ったら、七面鳥が庭でお食事中。マリリンと私に気づいて立ち去ってしまいました。ビックリさせてしまったみたい。この七面鳥、ペットではありません。野生です。たいてい10羽くらいの群れで動いてまわるのに、この七面鳥はひとりぼっち。仲間と逸れてなければいいのだけど。この辺りはコヨーテなんかもウロウロしているので、ひとりで動いてまわるのはあまり賢いことではありません。ローリーは野生動物の冬越しをいつも心配していつも庭に食べ物を用意してあげてます。「動物に餌付けするおかげで破産しちゃうわ。」なんて言いながらも、会う度に今日は12頭の鹿が来たなどと嬉しそうに教えてくれます。

クッキーもほんの3種類しか焼かずに控えめ。でもちょっと変わり種に挑戦してみました。マカロンです。パリに住むアメリカ人がポストしたレシピを使いました。フォションで働く友人のアドバイスと数々の試行錯誤の下に生まれたレシピらしいです。彼の試行錯誤のおかげでちゃんと膨らんで、ヒビも入らず、きれいなクッキーに仕上がりました。あまり大きく作らないのがコツみたい。中に挟んだチョコレートガナッシュも甘すぎずちょうどよく仕上がりました。彼はチョコレートのマカロンが一番難しいと言ってたので、他の種類への挑戦にもちょっと自信がつきました。

マカロン好きの上司とつまみながら、マカロン談義などをしてしまいました。奥さんがマカロン大好きでニューヨークのお店によく注文するそうで、奥さんのために作ってあげようかなと言ってました。ジョーは料理をするタイプに思えなかったのでちょっとビックリ。こんな風に奥さんを喜ばせようといろんなことを考える男の人たちはかわいらしいです。

ところで、マカロンは鮮度が決め手なので日本に送るのは断念、ごめんね。

そうそう、こっちでは男の人も割とお菓子作りをするのです。意外でしょ?ダグとは毎年お互いのお誕生日にお手製のお菓子をプレゼントします。今年はとってもおいしいコーヒーケーキを作ってくれました。レシピの交換もよくしています。因にダグの十八番はブルーベリーパイだそうで、世を徹してパイを作り感謝祭やクリスマスのディナーに持って行くそうです。

ご近所さんから早めのクリスマスプレゼントって、マリリンと星とツリーのクッキー型をいただきました。オーガは私が毎年この時期クッキーを焼くのを知っています。こんな気配りの利いたちょっとしたプレゼントは嬉しいです。

キッチンの引き出しをゴソゴソしてたら昔買った天使とリスの型を見つけました。そしてオーガの犬、サミーとケニヤにそっくりの型も出てきました。サミーとケニヤはジャーマンシェパードの雑種です。ケニヤは庭に見つけるリスを追いかけるのが好き。ふたりともマリリンの仲良しさんです。クリスマスイブにサミーにケニヤ、そしてマリリンのクッキーを届けるつもり。

先週の水曜日にはまた雪。ハイウェイで一時は車線が見えなくなるくらい激しく降りました。3車線以上の道路で車線が見えないのは特に危険。どこに世界にも方向や車間距離の感覚があまりよくない人たちがいるもので、自分がどんなに気をつけて安全運転してても事故に巻き込まれることがあるからこんなときは運転しないにこしたことはありません。

外に出てまわるのはよくないので、お家で美味しいものを食べることに。

日本では秋の味覚だけど、ここでは冬のもの。感謝祭の前後辺りから栗が出回ります。年に一度は栗ごはんを頂くようにしてます。今年は日本でクリクリ坊主を購入。早速試してみました。以前は下茹でして鬼皮を柔らかくしてから包丁で剥いていたけど、これなら生でどんどん剥けてとっても楽。渋皮まで剥けるとは言うものの、実の部分までかなり肉厚に剥けてしまうので私的には渋皮は包丁で剥く方がいいような気がします。まだコツがつかめてないのかな?

いつも使うレシピはお醤油がはいって茶飯風。栗の甘さのが引き立ちます。

クロスも今回日本で買ってきたもの。今回は布ものをたくさん買ってきました。和物の柄でもモダンに使えるものがたくさん、選り抜くのに苦労しました。そういえば、お茶碗も今回日本から持って帰ってきたもの。焼き物の触感や質感もやっぱり日本のものが趣があってとてもよいです。

クリスマスといえば一年で一番の売り上げが見込まれる時期です。みんな先を争って買い物をし、プレゼントを交換します。そして、受け取ったプレゼントを返品しにお店に殺到するのです。理に合わないでしょ?そんなことなら最初からプレゼントなんかしなければいいのに…。人からもらったものをお店に返品するってこと自体、日本人的にはとても失礼なんだけど、アメリカ人にしてみれば「だって気に入らないんだもん。」の一言ですまされてしまうようです。今年は特に発展途上国に暮らす人たちの生活の実態をいろいろ知る機会があったこともあって、アメリカのクリスマスプレゼントの習慣にはとても抵抗を感じています。ほとんどの人たちは生活に困ることなく、ただ習慣だからといって不必要なものをプレゼントしあうなんておかしな話です。厳しい状況でがんばってる人たちのことを思うとクリスマスに浮かれているのがばかばかしく思えてきます。例えば、ギャップで売られてる服はバングラデシュで家族の生計を支えるために学校に行くことを諦めた10歳やそこらの子供たちの法外な低賃金の違法労働によって作られているそうです。先月の台風で大被害を被ったフィリピンではクリスマスイブまでに電気を復旧しようとがんばっているとのこと。日本で考えられないけれど、暗がりでの強盗や暴行などが心配されているそうです。それから世界のどこかには一生懸命真面目に働いているのに暮らし向きが楽にならない人たちがたくさんいます。クリスマスプレゼントは生活に不自由していない人たちに贈るより、そんな人たちの助けになるようにチャリティに貢献することにしました。そんなわけで、マリリンも今年はプレゼント削減です。もちろんマリリンはクリスマスの後にもらったプレゼントを返品しにお店に行くことはないのだけれど、恵まれない人たちにそして犬たちに今年は一緒に贈り物をすることにしました。メリークリスマス。

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